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せっかく建売住宅を購入するならば、できるだけ長く住みたいものです。
最近では中古の建売住宅の売出しも増えていますが、住み慣れた建物で老後もずっと暮らしたいと思って購入する人がほとんどでしょう。
一方で、建売住宅には本当に老後も暮らせるだけの耐久性があるのかという点については不安に思っている人も多いようです。
一般の住宅よりも割安なだけに、寿命が短いのではないかと心配する声も聞かれます。
しかし、建売住宅が一般の住宅より寿命が短いということはありません。
50年前に建てられた木造住宅でも十分に住めるだけの耐久力があるのですから、建材の質や建築技術が進化した現在に建てられた住宅ではもっと耐久力が優れているはずです。
では、なぜ建売住宅の寿命は短いということがいわれるのでしょうか。
それは、以下のような理由があるからです。
- 中古住宅市場が確立されていない
- 築20年を過ぎると建物の価値がなくなる(売却のときに値段がつかない)
- 大量の木造住宅が供給され解体も多い
今回は、建売住宅の寿命について、皆さんの心配を解消していきましょう。
寿命を心配してマンションにするか建売住宅にするか悩んでいる人は、ぜひ今回のコラムを最後までごらんください。
また、解説に入るまでに失敗しない家づくりで1番重要なことをお伝えします。
「夢のマイホーム」という言葉は、誰しもがワクワクさせる響きを持っています。
しかし、その夢の実現には、大きな落とし穴が潜んでいることをご存知ですか?
「一生に一度の買い物だから…」と、住宅展示場やイベントに足を運ぶ前に、絶対に知っておくべき重要なことがあります。
それは、情報収集の重要性。
多くの人が、理想の家に胸を膨らませ、住宅展示場へと足を運びます。
「とりあえず見てみよう」という軽い気持ちで。しかし、そこにこそ危険が潜んでいるのです。
モデルハウスの洗練された空間に魅了され、営業マンの巧みな話術に乗せられてしまう…。
そして、深く考えずに契約を交わしてしまうケースが後を絶ちません。
その結果、何が起こるのでしょうか?
「こんなはずじゃなかった…」
理想とはかけ離れた家が完成し、何百万円、場合によっては1,000万円以上の損をしてしまうケースも少なくありません。
「もっとしっかりと比較しておけば…」
そんな後悔をしないために、家づくりを始める前には、出来るだけ多くの住宅メーカーからカタログを取り寄せることをおすすめします。
なぜカタログ集めが重要なのか?
運命の住宅メーカーとの出会い: 「ハウスメーカー一択だったけど、工務店のほうが理想に近かった」「ローコスト住宅を考えていたけど、大手メーカーでも予算内で建てられた」など、思いもよらなかった会社と出会えるケースは非常に多い。
価格交渉を有利に: 複数のメーカーから見積もりを取ることで、価格競争が生まれ、数百万円単位で費用を抑えられる可能性がある。
「情報収集は面倒くさい…」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、大切な家族と一生を共にする家のために、少しの時間と手間を惜しむべきではありません。
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それでは解説をしていきます。
【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
もくじ
建売住宅の寿命は60年以上
建売住宅が新築されて住み続けられる期間は、一般的に60年以上といわれています。
アメリカでは築100年以上の木造住宅であってもリフォームを繰り返しながら利用されていることから、実際の寿命はもっと長いと考えられます。
耐用年数はあまり関係なし
会計上、建物や機械設備には「耐用年数」が定められています。
それによれば木造住宅の耐用年数は22年とされています。
これだけ見ると、20年以上経過した木造住宅は危険なのではないかとも思われがちですが、実は法定耐用年数と実際の寿命とは関連性がありません。
法定耐用年数は会計上の減価償却期間を定めたものにすぎず、またこの法令が昭和40年代に制定されたものということもあって、実際の建物の寿命が反映されているわけではないのです。
寿命を決めるポイントは構造の違い
建物の寿命を決めるポイントは、建物の構造の違いです。
建物の構造は大きく分けて、木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)がありますが、建物の材質が頑丈になるにつれて寿命は長くなります。
現在の技術で建築された鉄筋コンクリート造の建物ならば、ゆうに100年以上は利用できるとされています。
最近では昭和50年台ごろに建てられた鉄筋コンクリート造のマンションの建て替えが進んでいますが、これは建物の寿命というよりは、耐震性の問題やエレベーター・浴室などの設備の更新ができないなど、建物そのものの寿命とは別の理由によるものです。
注文住宅と建売住宅で違いはない
同じ木造住宅ならば、建物の寿命に大きな違いはありません。
注文住宅と建売住宅では確かに建売住宅の方が割安ではありますが、だからといって寿命が短いということはないのです。
建売住宅が割安なのは、建材を大量に発注することで単価を下げることができ、また間取り変更などを制限することで建築・販売スケジュールが予定通りに進むため金利や販売費用の点で節約できるからです。
建物の寿命とはあまり関係ありません。
建売住宅の寿命が短いと勘違いされる3つの理由
では、なぜ建売住宅の寿命は短いと勘違いされるのでしょうか。
たしかに、データを見ると築30年から40年ぐらいで取り壊される木造住宅は多くなっています。
しかし、これは建物自体が使えなくなったから取り壊されるのではなく、以下に挙げるような経済的な理由によるものです。
中古住宅市場が確立されていない
勘違いの大きな理由の一つは、中古住宅市場が未成熟であることです。
最近では政策の後押しもあり中古住宅の流通も少しずつ活性化しつつありますが、諸外国に比べるとまだまだ不十分です。
そのため、「中古の木造住宅は販売が難しい」という共通認識が不動産業界にあり、なかなか変えることができません。
このような不動産市場の状況から、住まなくなった木造住宅はまだ利用できる状態であっても更地にして売却することが多くなります。
その結果、データ上も「木造住宅の寿命(新築から解体までの期間)」は短い、ということになるのです。
築20年を過ぎると建物の価値がなくなる
中古住宅市場が未成熟であるということに関連しますが、築20年を過ぎた木造住宅はほとんど価値が付かず、ほぼ土地のみの価格で売買されます。
場合によっては、解体費を差し引いた金額になってしまうこともしばしばです。
そのため、まだ住める住宅であるにもかかわらず築20年を過ぎた中古住宅はもう利用することはできないという誤解が生まれたのです。
実際はリフォームをしたり設備を更新したりすれば、多くの中古住宅は住み続けることが可能です。
大量の木造住宅が供給され解体も多い
戦後、日本では人口が爆発的に増加し、大量の木造住宅や公営住宅が供給されました。
また、生活様式が大きく変わり、洋式化、核家族化が進んだ結果、「親の家を継ぐ」ということもあまり見られなくなりました。
そのため、相続された住宅の中にはそれほど築年数が経過していなくても、解体して更地売却することが多くなりました。
不動産会社にとっても手間のかかるリフォームをして再販するよりは、解体して住宅を新築した方が簡単ですし利益も取れるのです。
その結果、寿命を全うせずに解体される木造住宅も多いのです。
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こまめなメンテナンスで建物寿命を延ばす
これまでは、スクラップアンドビルドいう形で多くの新築住宅が供給されていましたが、耐震性や建物の性能が格段に進化した結果、今後は中古住宅の流通も増えることでしょう。
建売住宅を購入したからといって一生住み続けるのではなく、売却して新しい住居に住み替えるということもあるかもしれません。
建物を良い状態に保つためには、定期的な検査とメンテナンスが必要です。
定期的なインスペクションで安心な住まい
政府が中古住宅の流通を促進し、建物のインスペクション(建物状況調査)を推奨し独自の資格制度をつくった結果、インスペクションを行う業者が増加し調査費用が安価になりました。
インスペクションでは、建築士などの建物の専門家が、外観、床下、床や柱の傾き、天井や雨漏りの状況等について目視で点検します。
軽微な不具合は経過観察としますが、床下などに構造上の欠陥があるような不具合や劣化・虫食いがある場合には早期に補修工事をすることが必要になってきます。
定期的なインスペクションを行うことで、住宅の不具合を早期に発見し、価値を保つことができます。
外壁塗装でひび割れ・はがれを軽減
外壁のひび割れや塗装の剥がれは住宅の劣化の原因になります。
軽微なひび割れに始まり、放っておくとモルタルが剥がれ落ちたり、地震によってひび割れが大きくなったりします。
外壁の軽微なひび割れを防ぐことは難しいために、新築から15年程度経過したのちは、タイミングを見て外壁塗装を検討しましょう。
床下や屋根の修繕は早めに対応
床下や屋根は普段見えないところであることから、痛みや劣化が進行しがちです。
一度床を支える支柱部分が痛んだり、雨漏りが生じたりすると補修が大規模になり費用もかかってきます。
定期的なインスペクションで床下や屋根に修繕箇所が見つかったときには、早めに対処した方が結果的に修繕費用を節約できます。
自宅が寿命を迎えたらすること
住宅が寿命を迎えたからといって放っておくのは危険です。
現在、全国で空き家問題に対する対策について議論されていますが、空き家を放置しておくと放火や盗難などの被害にあうこともあります。
相続で取得した住宅の場合には遺産分割協議が長引くこともありますが、早めの対処が必要です。
建物の解体
今後も住む予定がなく、売却も難しい住宅については建物の解体工事を行います。
解体費用は建物の延床面積で見積もられるとこが多く、概ね坪4万円から5万程度になります。
インターネットで近くの解体工事業者を検索するのもよいですし、更地を売却するつもりならば、不動産会社に売却の相談をすれば解体業者の手配も行ってくれます。
土地を売却する場合でも、解体費用は売却前に支払わなければならないことが多いために、自己資金を事前に用意しておく必要があります。
土地の売却
今後利用する予定のない土地ならば、売却してしまった方が得です。
先祖代々受け継がれてきた土地は売却しにくいということもあるかもしれませんが、土地を所有しているだけで固定資産税がかかりますし、土地を管理する手間もかかります。
資産運用という面でも、アパートなどを建設して活用するという方法もありますが、現金化した方が運用手段が広がります。
売却するときには、まずは最寄りの不動産会社に相談するのが王道です。
対象土地に近い不動産屋さんには、そのエリアで不動産を探している人の情報も集まりやすいといえますので、買い手が付きやすいのです。
売却を急いでいる場合には、不動産買取サービスを行っている不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
不動産会社自ら買主となりますので、最短で10日ほど、平均的な期間でも1か月程度で売却できます。
相続登記についてもしっかりと
相続で取得した土地・建物については、登記費用や手間を惜しんでそのまま放置していることもよくあります。
遺産分割協議がうまくまとまらずに登記されていない土地もあります。
このような土地は、所有者がはっきりしないとみられることから売却に支障をきたします。
また、全国で空き家問題が深刻化している状況を受けて、相続登記を義務化する民法・不動産登記法の改正案が国会で可決されました。
施行の時期は未定ですが、今後3年から5年の間に施行されるとみられています。
この法律が施行されると、相続登記を放っておいた場合には過料に処されることになりますので、相続不動産の登記については早めに対処しておく必要があります。
家づくりのとびらで無料カタログ取り寄せ⇒(ハウスメーカー中心)
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まとめ
建売住宅の寿命は注文住宅に比べて特別短いということはありません。
SRC造やRC造の建物と比較すれば短いかもしれませんが、不具合を補修しながら一生住み続けられるだけの耐久性は十分に備えていますので、寿命を気にして建売住宅の購入をためらっているならその心配はありません。
定期的なインスペクションと不具合の補修で建物の価値を保つことは可能です。
住宅の販売担当者にどれぐらいで補修や設備の更新が発生するかを確認して、計画的な資金計画と修繕計画を立ててみるとよいと思います。
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