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注文住宅は「このように生活したい」「このような家を持ちたい」とあなたが家に求める要求を自由に表現できる魅力があります。
しかし、反面、自分たちの希望を満たすことができず後悔してしまう可能性が有るのも注文住宅。
「家は3回建てないと満足する家は建てられない」と言われるように、ゼロからあなたのイメージを形にする注文住宅の難しさなのかもしれません。
しかし、3回建てられる方は稀でしょう。
ほとんどの方は一生に一回の買い物。
後悔はしたくないですよね。
後悔しない方法として、家を建てた先輩方の失敗、後悔を基に自分たちが失敗を疑似体験してみたらどうでしょうか。
疑似的に失敗や後悔を経験して自分たちが注文住宅を建てるときはその部分に気を付けるというわけです。
今は情報があふれていますから、失敗・後悔の情報も豊富にあり十分可能な方法でしょう。
問題点があるとすれば注文住宅を建てる初心者が情報量に振り回されて上手に活用できない事が挙げられます。
そこでこの記事では、家を建てた先輩方の失敗例や後悔を注文住宅を建てる初心者が実際に使えるように10のポイントにまとめてみました。
初めての注文住宅建築で後悔したくない方はぜひ最後まで読んでみてください。
また、解説に入るまでに失敗しない家づくりで1番重要なことをお伝えします。
「夢のマイホーム」という言葉は、誰しもがワクワクさせる響きを持っています。
しかし、その夢の実現には、大きな落とし穴が潜んでいることをご存知ですか?
「一生に一度の買い物だから…」と、住宅展示場やイベントに足を運ぶ前に、絶対に知っておくべき重要なことがあります。
それは、情報収集の重要性。
多くの人が、理想の家に胸を膨らませ、住宅展示場へと足を運びます。
「とりあえず見てみよう」という軽い気持ちで。しかし、そこにこそ危険が潜んでいるのです。
モデルハウスの洗練された空間に魅了され、営業マンの巧みな話術に乗せられてしまう…。
そして、深く考えずに契約を交わしてしまうケースが後を絶ちません。
その結果、何が起こるのでしょうか?
「こんなはずじゃなかった…」
理想とはかけ離れた家が完成し、何百万円、場合によっては1,000万円以上の損をしてしまうケースも少なくありません。
「もっとしっかりと比較しておけば…」
そんな後悔をしないために、家づくりを始める前には、出来るだけ多くの住宅メーカーからカタログを取り寄せることをおすすめします。
なぜカタログ集めが重要なのか?
運命の住宅メーカーとの出会い: 「ハウスメーカー一択だったけど、工務店のほうが理想に近かった」「ローコスト住宅を考えていたけど、大手メーカーでも予算内で建てられた」など、思いもよらなかった会社と出会えるケースは非常に多い。
価格交渉を有利に: 複数のメーカーから見積もりを取ることで、価格競争が生まれ、数百万円単位で費用を抑えられる可能性がある。
「情報収集は面倒くさい…」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、大切な家族と一生を共にする家のために、少しの時間と手間を惜しむべきではありません。
近年では、複数の住宅メーカーへまとめて資料請求できる「一括カタログサイト」が出てきた為、昔のように住宅メーカー1社、1社から資料を取り寄せる手間もなくなりました。
中でも、特におすすめなのが以下の3サイトです。
①SUUMO 不動産最大手ポータルサイトSUUMOだからこそ。独自のネットワークで、全国各地の優良工務店から、高品質ながらも坪単価を抑えた家づくりの資料を取り寄せられます。 ②HOME4U家づくりのとびら 安心と実績の「NTTデータグループ」運営。厳選された全国のハウスメーカーへ一括でカタログ請求ができ、さらに、理想の家づくりプランも無料で作成してくれる為イメージしやすい。利用必須のサービスです。 ③LIFULL HOME’S 東証プライム上場企業「LIFULL」が運営する、SUUMOと並ぶ大手不動産ポータルサイト。厳しい審査を通過した優良住宅メーカーのみが名を連ね、特にローコスト住宅を検討する方は必ず使っておきたいサービス。 |
この3サイトは、日本を代表する大手企業が運営しているため、掲載企業の審査基準が非常に厳しく設定されています。
悪質な住宅メーカーに引っかかるリスクを抑えることもでき、大きな安心材料と言えるでしょう。
また、資料請求をしたからといって、しつこい営業を受けることもありません。
安心して情報収集に専念できる、非常にメリットの大きいサービスです。
正直、3サイト全て使って住んでいるエリアに対応している住宅メーカーの資料は固定概念をなくし全て取り寄せてしまうのが1番です。
ただ、3サイトの中でどれか1つ使うなら、
を使っておけば間違いないでしょう。家づくりは、絶対に失敗したくない一大イベント。
だからこそ、固定概念を持って最初から「工務店!」「ハウスメーカー!」と決めつけずに、視野を広げてみて下さい。
多くの会社から資料を取り寄せることで、本当にあなたの理想に合ったパートナーが見つかるはずです。
「絶対にハウスメーカー」と思っていた人が、工務店の自由設計や高品質な家づくりに魅力を感じたり、
「予算を抑えたいから絶対に工務店で探したい。」と考えていた人が、実はハウスメーカーでも手の届く価格まで値下げ交渉に応じてくれたり。
なるべく多くの会社で資料を取り寄せることでメーカーごとの強みや特徴が分かりますし、複数社で価格を競わせることで全く同じ品質の家でも400万.500万円と違いが出ることさえあります。
後から取り返しのつかない後悔をしないよう、家を建てるときには面倒くさがらず1社でも多くのカタログを取り寄せてしまうことをおすすめします。
家づくりのとびら・・・ハウスメーカーのカタログ中心
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それでは解説をしていきます。
【本記事の監修者】 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー 大学卒業後、東証一部上場大手保険代理店へ入社。その後、大手不動産ポータルサイト運営会社へ転職。ITベンチャー企業での経験を経て株式会社Azwayを創業。 「住まい」と「ライフスタイル」に特化したWEBサービスを手掛けている。
もくじ
- 1 なぜ注文住宅を建てて後悔してしまうのか
- 2 後悔しない注文住宅のポイント1:間取りで快適さが決まる
- 3 後悔しない注文住宅のポイント2:水回りは主婦目線で
- 4 後悔しない注文住宅のポイント3:設備は足りていますか?
- 5 後悔しない注文住宅のポイント4:外溝・外装のイメージ
- 6 後悔しない注文住宅のポイント5:家の工法は優先事項
- 7 後悔しない注文住宅のポイント6:将来を考えた無理のない資金計画
- 8 後悔しない注文住宅のポイント7:妥協しない建築会社選び
- 9 後悔しない注文住宅のポイント8:家族の安全と安心を考えた土地探し
- 10 後悔しない為の注文住宅のポイント9:プランニングはトコトンやろう
- 11 後悔しない注文住宅のポイント10:建築中が本番!「お任せ」は危険!
- 12 まとめ
なぜ注文住宅を建てて後悔してしまうのか
自分たちが理想と考え建てたはずの注文住宅が後悔になってしまった原因は大きく3つあります。
- 注文住宅を建てる流れを知らない
- 知識がない状態で行動に移ったことが原因
- 経験・事例の圧倒的不足
後悔しない注文住宅のポイント全てに共通する部分なので、最初にこの3つについて解説していきましょう。
注文住宅を建てる流れを知らない
注文住宅を建てる流れはフルマラソンに置き換えるとわかりやすいでしょう。
フルマラソンは42.195Kmもの距離を人間の限界を超えて走り切り優勝を争うスポーツです。
このフルマラソンで例えば走るコースを知らなかったらどうなるでしょうか。
ペース配分も分からずにゴール地点もわからないわけですから優勝どころではなくなりますよね。
注文住宅を建てることも同じことが言えます。
工程 | 期間 |
行動開始前・事前準備 | 無期限 |
建築会社探し | 1ヶ月~4ヶ月 |
建築会社の絞り込み土地探し | 1ヶ月~3ヶ月 |
プランニング | 2ヶ月~6ヶ月 |
工事請負契約、住宅ローン申し込み | 1ヶ月~3ヶ月 |
工事着工から竣工まで | 4ヶ月~6ヶ月 |
完了検査・引き渡し・引っ越し | 1ヶ月~3ヶ月 |
この表は注文住宅を建てる流れを大枠でまとめた物ですが、大枠でまとめただけでも雑多な工程があることがわかるでしょう。
後悔しない注文住宅を建てるには自ら率先して行動する事が求められます。
しかし、この長い期間の中で次に何をする必要があるか知らなければ、雑多な工程に振り回されるだけになってしまうでしょう。
後悔の多くは建てた後「あれをすればよかった」と気が付いた場合が多いのですね。
「段取り8分仕事2分」と職人さんの仕事のコツを表す言葉がありますが、注文住宅を建てることも次に何をしなければいけないのかを知って準備することが大切と言えます。
同時に期間設定も大切な要因です。
注文住宅を建てる為の期間は約8ヶ月~2年。
この期間は実際に行動を開始してからの期間で、準備の期間は含まれていません。
後悔しない注文住宅を建てるためには、あなたの建てたい家のイメージと資金計画が大事になってきます。
この期間に制限を設けてしまえば、準備が疎かになってしまう可能性があるでしょう。
ですから、期間設定は家のイメージを決めて、自分たちが準備できる費用が分かった時点から最低8か月は必要なんだなと考えることが賢明なんですね。
期間に追われて適当に決めてしまった後悔は意外に多くあります。
期間設定はもちろん必要ですが、「3年後に家族が新しい家でくつろいでいたい」ぐらいに余裕をもって注文住宅を建てることを考えた方が一番後悔が少ないでしょう。
知識がない状態で行動に移ったことが原因
さきほど後悔しない注文住宅を建てるには自ら率先して行動する必要があると話しましたが、注文住宅を建てる流れを知っても注文住宅とはどのような家なのか知らなければ行動できませんよね。
注文住宅を作る流れを知ることはマラソンのコースを知ることに置き換えられましたが。
注文住宅の知識はマラソンの練習に置き換えられます。
練習をしてマラソンを走り切る体にしなければ42.195Kmは走り切れませんよね。
注文住宅も知識武装しなければ注文住宅を建てる流れを知っても生かせないのです。
注文住宅の知識が無ければどうなるでしょうか。
注文住宅を建てるために最も大切な家のイメージづくりや資金計画は現実的でない方向に進むかもしれません。
どのような建築会社が自分たちに必要なのかもわかりませんし、土地選定の基準もわかりませんよね。
建築会社との打ち合わせでは相手の話していることが理解できずに認識の違いが生まれトラブルの原因になる可能性があります。
何より建築中の自分たちの家が予定通り建てられているかチェックすることもできないでしょう。
このようなことに関われなかった事が後悔に繋がっていると言えるのですね。
さて、この知識を得る方法ですが、注文住宅について全くの初心者は本から知識を得る方法をおすすめします。
みなさんは注文住宅の知識を得る方法と言われたら、恐らくインターネットやモデルルームの見学を思い浮かべるでしょう。
インターネットやモデルルームは最新の情報や実物を見られるメリットが大きいのですが、注文住宅の知識を持っていない初心者にとっては大きな落とし穴が待ち構えているのです。
インターネットの普及は最新の情報をタイムラグなしで大量に得られるメリットがありますが、その情報の中から必要な情報を選ぶ知識が必要な媒体ですよね。
ですから、注文住宅の知識のない初心者はどれが正しい情報なのか分からずに間違った知識を身に着けてしまう危険性があるわけです。
モデルルームについても、実はモデルルームは建築会社の最新のグレードで建てられていて、使っている設備も高級グレードの物とは知らないでしょう。
もしモデルルームを基準に家のイメージを作ってしまったら実際建てられる家との差が大きくなってしまって、「こんなはずじゃなかった」と後悔に繋がる可能性があるのです。
また知識がなければモデルルームの営業マンに振り回されて疲れるだけに終わってしまうでしょう。
一方、注文住宅を建てる初心者が知識習得の手段に本を使った場合、次のようなメリットがあります。
- 本はテーマが決まっていて、その情報が濃く、正確
- テーマが決まっているので余計な情報に振り回されることがない
- 外的要因に邪魔をされずに自分のペースで学べる
- 本の著者が何十年、もしかしたら一生かけて得た知識をたった数千円で手に入れられる。
最新情報という点においては本はインターネットやモデルルーム見学に劣ります。
ですが、本は注文住宅を建てる初心者にとってデメリットよりメリットが大きい知識を得る媒体なのです。
本を使って基礎的な知識を得た後ならばインターネットやモデルルーム見学はさらに知識を深めるための最高の媒体に変わるでしょう。
しかし、後悔しない為に学ぼうと気持ちを持つことは大切ですが、注文住宅を建てる為の知識は建築に関わっている方でも不足する部分があるくらい膨大です。
ですから最初は興味を持った部分から始めれば良いでしょう。
そして徐々に注文住宅を建てる流れの中で必要と思う知識を学んでいくと考えたほうが余計なプレッシャーもなく学び続けられるのではないでしょうか。
経験・事例の圧倒的不足
注文住宅を建てる初心者がいくら知識を得ても不足するものに経験とそれに伴った様々なパターンの事例です。
住宅関連の仕事をしたことがある方ならまだしも、今まで家について考えたことが無かった方がほとんどでしょうから当然でしょう。
しかし、この経験不足、事例を知らないことからくる失敗や後悔が非常に多いことも事実です。
この後悔を防ぎ、理想の住宅を建てるためには先に話したように先輩方の失敗・後悔を参考に自分たちが注文住宅を建てる時に気を付ける事でしょう。
ですが、失敗例を知ってもそれを防ぐ方法がわからなければ、せっかくの事例も使いこなせませんよね。
この失敗例を使いこなすためにも知識は必要になってきますし、事前準備も必要なわけです。
次章から失敗例を基にした後悔しない注文住宅のポイントを解説していきますが、失敗例を学ぶとともに、どの知識が必要なのかを考えながら読み進めてほしいですね。
後悔しない注文住宅のポイント1:間取りで快適さが決まる
間取り次第で自分たちが建てた家の住みやすさが決まります。
間取りづくりは部屋の配置を単に決めるだけではなく、住みやすさやデザインなど注文住宅の中心的要素です。
そのように大切な部分なのですが残念ながら後悔の多い部分なんですね。
- 間取りづくりを通して自分たちが注文住宅に求める譲れない部分を知る
- 家を建ててくれる建築会社に具体的にかつ正確に自分たちの求める注文住宅を伝える
間取りづくりの最終目標はこの2つ。
この2つが達成できなかったことにより後悔の残る注文住宅になってしまったとも言えます。
間取りづくりで上記の2つの目標を達成する為の方法は次の3つ。
- 間取りの基礎知識を学ぶ
- 家族全員の希望を間取りに取り入れる
- イメージを具体的にしつつ譲れない部分を絞り込む
この3つについて具体的に解説していきましょう。
間取りの基礎を学ぶ
間取りは注文住宅の要(かなめ)です。
しかし、作り方がわからなければ後悔の残る間取りになってしまうことは目に見えていますよね。
ですから、最初は間取りの基礎学び、その上でここで話した失敗・後悔に気を付けて間取りを作っていく方法が良いでしょう。
間取りの基礎を学ぶ方法として2冊の本を紹介します。
- 【住まいの解剖図鑑】
- 【間取りの方程式】
どちらの本も本を紹介するサイトでは必ずと言っていいほど紹介されている良書です。
両方ともイラストやたとえ話をふんだんに使い、初心者でも詳しく間取りを学べる構成が最大の特徴。
「なぜその間取りなのか」「住みやすいコツはどこか」など間取りに関してほぼ網羅できるでしょう。
この2冊は著者が違う為、2冊読むことによって違う視点で間取りを学ぶことができます。
ぜひ2冊とも読んでほしいですね。
家族の希望を間取りに取り入れる
「子供部屋は別々にしたい」
「リビング階段にしたい」
「庭にウッドデッキをつけたい」
間取りづくりの始めは家族の希望を聞いてドンドン間取りに取り入れていきましょう。
最初は多少無理な間取りでかまいません。
ポイントは何度もトライアンドエラーを繰り返し、間取りのパターンを増やしていく事。
また家族全員で将来自分たちが住む家を思い描いて、楽しく間取りを作っていく事も大切ですね。
この間取りづくりですが、何度も書いては消してを繰り返すので意外と手間です。また平面図だけですと家のイメージという点では少し不足を感じます。
そこで間取りづくりのお役立ちアイテムとして間取りシミュレーションソフト・アプリを紹介しましょう。
間取りシミュレーションソフト・アプリは今まで紙に書いていた間取りを画面上で簡単な操作で作れてしまいます。
また、昔はCADなどの本格的な作図ソフトでしか不可能だった3D表示も簡単に見られるソフトも多く、建てたい家のイメージをしやすい。
家具などの配置も可能なソフト・アプリが多いことも魅力の一つですね。
しかも、ほとんどの間取りシミュレーションソフト・アプリは無料で使える機能だけで十分に間取りが作れてしまう事がおすすめの理由です。
ここではパソコン用、スマホ用を1種類ずつ紹介していますが、まだまだ無料のソフト・アプリはあるので色々試した上で使いやすい一つを選んでも良いでしょう。
- パソコン用:【マイホームクラウド】
無料でほとんどの機能が使える間取りシミュレーションソフト。
アイコンを選び配置していく操作がメインなので、パソコンが苦手な方でも覚えやすいでしょう。
3D視点はもちろんですが、まるで自分が部屋の中にいるような感覚で間取りを見ることができる一人称視点が特徴。
1,000点以上の間取りサンプルが準備されているので、サンプルをベースに間取りを考えることもできます。
有料版もありますが無料版でも十分に間取りづくりに役立つでしょう。
- スマホ用:【Planner 5D-インテリアデザイン】
Android、iPhone両方に対応した間取りシミュレーションアプリ。
操作も比較的覚えやすく、平面図や3D視点の他にAndroid版ではバーチャル視点を選択できる特徴があります。
このアプリの魅力は美しいグラフィックの各オブジェクト。
無料版でも150種類以上のオブジェクトが選択できるのですが、有料版になると3,000種類以上も選択できてしまうので、無料版で物足りない方は有料版を購入してもいいでしょう。
有一の欠点が海外製の為、畳などの和風オブジェクトが無いことでしょうか。
それでも機能の充実ぶりは家のイメージを膨らませるのは十分と言えます。
イメージを具体的にしつつ譲れない部分を絞り込む
家族の意見を聞いて間取りを何個も作っていくと次第に自分たちの建てたい注文住宅がハッキリしてくるはずです。
そうなったら今度は間取りをより具体的にしていく作業に入ります。
間取りを具体的にする際は以下のことに気を付けながら間取りを考えると良いでしょう。
- 動線を考えた間取り
- 予算の範囲内に収める努力をする
- 実際の大きさを体感
- デザインを優先しすぎない
- 住宅の性能も考える
詳細は次章から様々なポイントで解説していきますね。
この間取りを具体的にしていく過程で注意点が1点。
それはイメージをあまりガチガチに固めてしまわない事。
注文住宅の形は土地に依存してしまうので、土地から探す場合は家の形は決定できないですよね。
また、実際のプランニングの段階で予想以上のコストや、工法の限界でその形が難しい場合があるでしょう。
不確定要素が多い段階でイメージを固定してしまうのは、家を建てた後に不具合が出る可能性が高く後悔の原因になってしまうのですね。
ですから、間取りづくりの段階では譲れない部分は2~3ヶ所に絞りこみましょう。
そして、その譲れない部分を中心にプランニングの際、今まで作ってきた間取りのパターンをあてはめていくという方法が融通性があり、自分たちが求める注文住宅に近づけると思いますよ。
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後悔しない注文住宅のポイント2:水回りは主婦目線で
水回りで最初考えなくてはいけないことは家事のしやすさ!つまりキッチンの使いやすさや洗濯が楽になる方法ですね。
家事は家の中で一番の仕事ですから、最初に家事のしやすさを決めて、それに付随する形で他の使い勝手を決めていくほうが後悔は少ないでしょう。
- 家事動線で後悔しないポイント
- 水回りで後悔の多い部分の対策
この章ではこの2点について解説していきます。
家事動線で後悔しないポイント
「朝の忙しい時にぶつかってしまって動きにくい」
「家事に時間がかかってしまう」
「洗濯機と干すところが遠すぎた」
このような後悔は動線を考えないで間取りを作ってしまったときに起こりやすいですね。
動線とは何かをする時に動く経路。
- 家事動線:洗濯や料理など家の仕事をする際の経路
- 生活動線:リビングやトイレ、部屋などへのアクセス経路
- 衛生動線:洗面所やお風呂、トイレへの経路と位置
- 環境動線:エアコンの風の向きや効き具合、採光や風通しなど
動線は挙げると切りがないのですが、基本的に家事動線を中心に考えます。
先ほども話したように家の中で一番動く機会の多い家事動線なので、家事動線の効率が良ければ他の動線の効率を高くなりやすいというわけです。
以下で家事動線の作り方のポイントを紹介しておくので参考にしてみてください。
直線的もしくは回遊できる事
一つの家事であっちに行ったりこっちに行ったりでは時間がかかりますし面倒ですよね。
- 直線的に移動すれば一つの家事が完了する
- 一回りすれば戻る必要なく家事が終わる
家事動線はこのように直線的もしくは回遊の動きで家事が完了する事が理想的です。
モデルルームなどで家事がしやすそうと思えるときには、ほとんどこの2つのどちらかの動線を採用しているはずですから気にして見ても良いでしょう。
シンプルで移動距離が短くて済む
洗濯物を1階から2階に持って行くにしても移動距離が短いほうがいいですよね。
例えば洗濯機のある部屋のすぐわきが階段で、階段を昇ればすぐベランダに出られる間取りだったら楽でしょう。
家事動線をシンプルに短く作れば他の動線もシンプルに短くなりやすく、無駄の少ない間取りを作ることができるのですね。
他の動線と重ならない
最初に挙げた後悔にもあったように家事が忙しい時間帯に他の動線と動く経路が重なってしまうと効率が落ちてしまいます。
家事動線を忙しく使う時間帯は他の動線とクロスしない間取りを考えることも必要になってくるのですね。
もしどうしても重なってしまうようでしたら、お互いにぶつからない通路の幅を確保するなどの対策を考えると良いでしょう。
家事動線で考えてほしい部分
家事動線で意外と忘れてしまうのが、ゴミ置き場の位置とそこまでの経路。
生ごみなどはごみの収集日まで外のストッカーなどに入れて置くと思うのですが、外に出るために玄関を経由しては大変ですよね。
また、乾いた洗濯物を「どこでたたんで」「どこにしまう」のかを家事動線に入れ忘れてしまう場合もあります。
家事をしている方の意見をふんだんに取り入れた間取りは後悔しない間取りづくりの第一歩と考えて家族で話し合っていきましょう。
水回りで後悔の多い部分の対策
水回りは家族全員が毎日使うところですから、使いやすいが一番重要になってくるでしょう。
しかし、ちょっと目線がずれてしまうと後悔の原因になってしまう部分でもあります。
以下で水回りで後悔が多かった部分を紹介しますので、自分たちが間取りを考える際は気にして作っていけば後悔は少なくなると思いますよ。
キッチンで後悔した部分
キッチンで後悔した声が多かったのが今人気のアイランド型キッチン
「キッチンがリビングから見えてしまって片付けるのが大変」
「油がテーブルまではねてしまう」
「食材や調理器具の置き場を考えなかった」
アイランドキッチンは開放的ですがこのようなデメリットもあるわけです。
- キッチンの片側はパントリーや壁にする
- キッチン台とリビングの境界に小さな敷居を立てる
リビング・ダイニングの配置によって変わりますが、このような対策を考え間取りづくりをすると、アイランドキッチンのような解放感を得られるアイテムの良さを十分に引き出せるのではないでしょうか。
トイレの位置の後悔
「トイレの音がリビングに響く」
「トイレを開けると玄関やリビングから丸見え」
「トイレが寝室から遠くて使いにくい」
水回りで多かった後悔がトイレの位置やトイレの流水音が聞こえるというもの。
今の住宅はオープンな間取りが多いために起きてしまう事例ですね。
トイレはプライベート空間と考えて扉の中が見えにくい配置は心掛けるべきでしょうね。
音に関しては壁の防音や排水管の防音である程度緩和できるので、プランニングの際に建築会社に相談してみるといいでしょう。
水回りの配置
水回りは基本的に一か所に集中したほうが使い勝手も良く、費用面でも安く済みます。
しかし、家族の人数や生活動線、衛生動線を考えないでしまうと思わぬ失敗・後悔をしてしまうのですね。
「外の汚れをお落とすところがキッチンと洗面所しかなかった」
「朝トイレや洗面所が渋滞する」
「家族が浴室を使っていると洗面台が使えない」
水回りでの後悔を少なくするコツとして、水回りを一つのゾーンと考える方法があります。
例えば脱衣所=洗面台とは考えず水回りゾーンの一部として廊下に洗面台を設置。
もちろん廊下は洗面台を使っていても他の人が通るスペースを確保するなどですね。
また家族の人数が多ければ2階にもトイレを設置してミニ洗面台を置くなども考えられるでしょう。
水道の数も増やせば費用がかかってしまうので、玄関から脱衣所に直通でいける間取りなどを考える。
水回りは家族が共同で使う部分ですから、一般的な間取りではなく家族に合った間取りを考え、プランニングの際にも建築会社に提案してもらうようにすれば後悔は少なくなるのではないでしょうか。
後悔しない注文住宅のポイント3:設備は足りていますか?
ここでは基本的には合ったほうが便利ですが、自分たちがどう使うか考えないと後悔してしまう設備を紹介していきます。
収納
「リビングに子供のおもちゃがあふれている」
「服がしまえない」
「玄関に靴があふれている」
収納はコストダウンに繋がりやすいので削る場合がありますが、基本的にはあった方が家の使い勝手は良くなります。
しかし収納を作りすぎたり、目的が不明瞭だったりすると次のような後悔をしてしまうでしょう。
「ベットを置いたらクローゼットが開けられない」
「収納を作りすぎて家具が置けない」
「棚の奥の物が取れない」
「衣装ケースが入らない」
収納は目的をもって作ることにより費用の無駄にもならず、スッキリした注文住宅になるのですね。
また物の上下移動は意外と大変です。
小屋裏収納庫は屋根のデッドスペースを利用した収納として有効な設備ですが、天井高が低くて動きにくい。
しかも何か物を取る為に上下移動しなければいけないので年を取ればつらくなってしまいます。
小屋裏収納庫や床下収納庫などはメインの収納というより季節物などを気軽にしまえるスペースとして使ったほうが使い勝手がいいことは覚えておくといいですよ。
コンセント・スイッチの数や位置
「掃除機のコードが届かない」
「延長コードを使わないと家電が使えない」
コンセントは基本的に多めに設置して問題ない設備です。
同時に家具の置く予定の部分は避ける。
リビングなどで見る壁、例えばテレビの置く壁面はテレビの後ろに隠れるように配置するなどに気を付けると無駄は省けるでしょう。
スイッチについては使い勝手を検証していない後悔が多いですね。
「スイッチがドアに隠れてしまった」
「靴を履いたままではスイッチに届かない」
「夜を考えて廊下の反対にもスイッチをつければよかった」
コンセントやスイッチに関しては図面である程度配置を決めた後、建築中の現場で体を実際動かして場所や数の検証をすると良いでしょう。
例えば掃除機をかけたと想定してみたり、夜を想定して実際に移動してみたりなどですね。
スイッチ・コンセントは注文住宅が完成してからは移動や増やすことが難しい設備です。
足らなかった!はできるだけ避けることが後悔しないポイントです。
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後悔しない注文住宅のポイント4:外溝・外装のイメージ
外溝つまり庭やガレージと外装と呼ばれる壁や窓、屋根は注文住宅の雰囲気や見た目を決める部分ですから注文住宅のイメージづくりでは気合が入る部分でしょう。
しかしちょっとした確認不足や考え方の違いで後悔の対象になってしまっているので、その部分を紹介しましょう。
外溝
「庭は数年後に整理すればいいと考え予算を準備しなかったが、雨が降るとぬかるんでしまう」
「土地の空きスペースを車庫にしたが荷物の出し入れができない」
「流行りのウッドデッキをつけたけど道路から丸見えで使っていない」
注文住宅を建てるときは家本体に目が行きがちですが土地全体が居住スペースと考えるとこのような後悔は少ないでしょう。
立地条件も考えた外溝の配置だけでなく間取りに関しても土地を考慮することにより無駄な後悔は無くなりますよ。
外装
「壁の色がサンプルと違った」
外壁の色違いの後悔は多いですね。
外壁や屋根は太陽光と室内では見え方が変わってくる場合がありますし、小さなサンプルではイメージが違ってくる場合もあります。
メーカーの展示場や、すでに建っている家の色やパターンを参考にすると違いは少なくなりますし、あまり珍しい色やパターンを避ける事もポイントでしょう。
また、外装ではデザインを優先してしまって後悔している場合も多いことを覚えておきましょう。
「外壁が一般のサイディングより傷みやすくて手入れが大変」
「見た目のバランスを取る為にベランダをつけたが洗濯物を干すには狭すぎた」
「カッコイイ窓の配置にしたが部屋の中から見たら配置がおかしい」
家は見せる物ではなく住んで暮らしていく物ですから使いやすいを考えた結果カッコイイ見た目になったくらいのが後悔は少ないですし、飽きが来ないと思いますよ。
後悔しない注文住宅のポイント5:家の工法は優先事項
注文住宅の耐震性・耐久性は住む人に安心と安全を与えてくれます。
そして断熱性・気密性は快適な生活とヒートショックなどの健康面の危険性も減らしてくれる家の性能ですよね。
同時に、光熱費が明らかに違ってきますから家計に優しい家になるでしょう。
耐震性や耐久性はある程度国が基準を決め、それ以上でなければ家は建てることができないのですが、断熱性や気密性は明確な基準がなく求めなければ手に入らない性能だと知っていましたか。
実際に断熱性・気密性が低いために起こった後悔は色々な部分で現れているのですね。
ここでは家の性能、特に断熱性・気密性を気にしなかったため、もしくは知識不足のために後悔してしまった事例を紹介します。
寒い・暑い・光熱費が高くなった
「1階と2階の温度差がひどい」
「家が大きくなった分アパートより光熱費が高くなった」
「床が冷たい、床暖房をつければ良かった」
このような後悔はほとんど断熱性や気密性が高いと緩和できます。
断熱性・気密性が高い住宅は家の中が魔法瓶の中と同じ状態なので多少温度差があっても快適性が損なわれず、必要な温度になった後は冷暖房機器は最小運転で温度を保つことができるのです。
あまりシビアに断熱性や気密性を求めても逆に住みにくくなってしまうのですが、ある程度以上の性能は確保すべきですね。
ちなみに床の冷たさも断熱性能でカバーできます。
そもそも床暖房は床を温める設備では無く高気密高断熱住宅の部屋を温める使い方が本来の使い方と知っていましたか。
ですから断熱・気密の低い住宅で使うと光熱費が高くなるだけであまり効果無いことも覚えておいてください。
吹き抜け・リビング階段の事例
吹き抜けやリビング階段はオシャレなリビングになるだけでなく部屋を広く見せる効果などもあり人気の間取りです。
しかし、「リビングが寒い」「リビングの音が2階の部屋に響いてしまう」などの不満の声が多くある部分でもあるのです。
リビングが寒い件は先ほどの断熱性・気密性が高い住宅ならば解決できる問題ですね。
そして音の問題も実は断熱材が解決してくれます。
断熱材の内繊維系断熱材と呼ばれるグラスウールやロックウールは断熱性と同時に防音性能もある材料なのです。
ですから、簡単に言えば2階の部屋の吹き抜けや廊下に面する壁に断熱材を入れるだけで相当音の問題は解決できるわけです。
このようにデメリットを理解していれば防げた失敗や後悔は非常に多い。
注文住宅に詳しくなるとともに、なるべく多くの事に興味をもって事例を調べ、後悔を少なくしてもらえれば幸いですね。
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後悔しない注文住宅のポイント6:将来を考えた無理のない資金計画
注文住宅を建てるには家を建てる為に必要なお金を知らなくてはいけませんね。
また、自分たちの準備できる予算をしっかり算出する必要があります。
お金での後悔は家族の生活に大きな影響を与えてしまいますからできれば避けたいところ。
ここでは「注文住宅を建てる為に必要な費用」と「自分たちが準備できる予算」を知ってもらい、注文住宅を建てたが生活が苦しくなってしまったという後悔が無いようにしてもらいます。
注文住宅を建てる為に必要な費用
「ローコスト住宅を目指したはずなのだが、色々費用が必要で結局高い家になってしまった」
「予算に余裕があると思ってあちこちこだわったが、地盤改良工事が必要になり結局プラン変更になってしまった」
このようなことは、注文住宅を建てる費用の計上を忘れていた場合に起こってしまう後悔なのです。
この表は注文住宅を建てる為に必要なお金を項目別に分けたものです。
恐らくみなさんは注文住宅を建てる費用を考えた場合、上の表の赤枠内の土地代・建物本体工事+付随工事部分を思い浮かべるでしょう。
しかし実際は諸経費や貯蓄なども必要になってくるのですね。
そして、頭金、諸経費、貯蓄は現金で準備しなければいけない費用。
建物本体工事と付随工事の違いも理解する必要があるでしょう。
注文住宅を建てる費用で後悔しない為には最初にこれらを知る必要があるのですね。
- 土地の相場を知っておく
- 建物本体工事費用別の注文住宅の傾向
- 付随工事
- 諸経費
- 貯蓄とは?
- 頭金の考え方
次からそれぞれの費用の詳細を上記の6つの項目に分けて解説していきます。
土地の相場を知っておく
住宅金融支援機構2019年度フラット35利用者調査 より抜粋。
この表は全国の各地域の土地代の比率をまとめています。
この表を見ると建物工事費用はさほど変わらないのに土地代の開きが大きいことがわかるでしょう。
この土地代の違いは全国規模だけでなく同じ県でもあるのですね。
注文住宅を建てる費用は各家庭で決まっているわけです。
ですから、土地代がかかりすぎて求める注文住宅が建てられなくなった後悔を避けるために事前に住みたい地域の土地の相場を調べておく必要があります。
実際の土地探しのポイントは後程解説しますが、注文住宅を建てる計画段階ではインターネットなどで土地相場を知り、自分たちが準備できる費用の予算配分を明確にしておくことが大事になってくるでしょう。
建物本体工事費用別の注文住宅の傾向
建築会社の広告に記載されている値段は、ほとんどこの建物本体工事費用と知っていましたか?
また、どこまでの工事費用を入れて広告に記載しているかわからないのですね。
例えば全てコミコミなのか?オプションは別なのか?はほとんどわからないわけです。
ですから、広告を元にいくら位あれば大丈夫と安易に注文住宅を建てる費用を考えるのは危険と言っていいでしょう。
目安にするのはいいのですが、基本的に自分たちが準備できる総予算から建物本体に使える費用を計算。
その費用内で建てることのできる注文住宅をベースに間取りを考える。
自分たちが考えた注文住宅を予算内で建てられる建築会社を探すという流れが一番後悔が少ないでしょう。
以下で1,000万円台、2,000万円台、3,000万円以上の3つに分けて注文住宅の傾向を紹介するので参考にしてみてください。
建物本体工事費用1,000万円台
注文住宅の建物本体工事費用の全国平均は、土地ありの場合約2,762万円、土地なしで約2,299万円。(住宅金融支援機構2019年フラット35利用者調査 より)
この金額と比べると建物本体工事費用1,000万円台は低い部類に入りますが、工夫次第で十分求める注文住宅を建てることができます。
ポイントはシンプルでオープンな注文住宅を目指す事。
- 外観は長方形や正方形で凹凸が少なくシンプルに、屋根も切り妻や片流れがベスト
- 間仕切りを少なくしてオープンな空間を目指す
- 設備機器は標準的な仕様を選ぶ、外壁・床材・クロスなども標準的なグレードを使う
- 水回りは一か所に集中する方向で考え、家事動線は短くなる間取りを考える
このような工夫をすれば建築費用を抑えつつ求める注文住宅を建てることができるでしょう。
しかし、1,000万円台の注文住宅は基本的にコストダウンの方向で考えるべきなのですが、収納と断熱性能は確保してほしい部分。
収納を少なくするとコストダウンには効果的です。
ですが1,000万円台の家は基本的にコンパクトにまとめられた家になるでしょう。
その限られた空間に物があふれてしまっていては窮屈になる事は目に見えていますよね。
無駄に収納を作る必要はありませんが、目的をハッキリさせた収納を作ることによって費用も無駄にならず後悔も少ない家になると思いますよ。
断熱性に関しては家の快適性や光熱費など家計に大きな影響を与える性能です。
断熱性能を求めればコストが高くなると考えがちですが、安い断熱材でも施工をしっかりやれば十分な断熱性能は確保できるのです。
建物本体工事費用が安い建築会社でも断熱性能が高い建築会社は意外とあるので探してみてもいいかもしれませんよ。
建物本体工事費用2,000万円台
2,000万円台の建物本体工事費用は全国平均から見ても平均的な相場といえます。
しかし、こだわりを表現するには予算的に若干少なく、希望を盛り込みすぎて予算オーバーになりやすい価格帯なんですね。
予算オーバーは家を建てた後の負担となってしまうので、できれば避けたいですよね。
2,000万円の注文住宅で予算オーバーを避けつつ求める注文住宅を建てるコツは予算配分にメリハリを持たせる事。
- キッチン回りにこだわり2階はシンプルに作る
- 断熱性は高くして外装・内装は一般的な材料でシンプルに
- 壁の少ない間取りを採用してコストダウン、その分の費用で床を天然無垢材で仕上げる
このようにこだわる部分とコストダウンする部分をハッキリ決めて間取りを考えると後悔は少ないでしょう。
もしどうしても2,000万円台で求める注文住宅を建てる事が難しいようでしたら無理をせず、3,000万円台の注文住宅を建てられるまで貯蓄するなどの選択肢を選ぶべきです。
無理は無駄な後悔に繋がってしまいますよ。
建物本体工事費用3,000万円以上
建物本体工事費用を3,000万円以上準備できるのでしたら、全ては難しいですが注文住宅に求める希望をかなえやすくなってきます。
ポイントとしては注文住宅に求める部分に優先順位をつけること。
- ミストサウナを浴室につける
- 高気密高断熱住宅を建てる
- 2世帯住宅
間取りでも話をした譲れないポイントをハッキリさせ、その部分を中心に注文住宅を考えていく事がコツというわけです。
また準備できる費用が多くなってくるにつれて設備のグレードや家の性能をプラスアルファで求めてもいいでしょう。
しかし、予算があっても「建築会社のお任せ」では後悔の残る家になってしまうことは覚えて置く必要はありますよ。
せっかく十分な予算のあるのですから、自ら率先して行動し理想の注文住宅を建ててもらいたいものです。
付随工事
付随工事とは注文住宅を建てる際、建物本体工事以外に必要な工事の総称です。
解体工事・造成工事 | 建て替えもしくは中古の家付きの土地を購入、不整地を購入した場合に発生する費用 |
地盤調査・地盤改良工事 | 家を建てる地面の強度を調査する費用、そして地盤の強度が低いときに地盤の強度を上げる工事費用です。 |
足場設置・仮設トイレ等 | 建物本体工事に必要な各種仮設設備の設置費用 |
産業廃棄物処理費用 | 建築現場で出た資材のゴミの処理費用 |
引き込み工事 | 水道やガス管、電気通信配線などを家まで引き込む工事費用 |
インテリア関係 | カーテンや照明器具、エアコン費用など |
エクステリア工事関連 | 外構工事や庭を作る工事費用 |
付随工事費用の目安は建物本体工事費用の約2割。
付随工事は基本的に建築会社の見積もりに含まれる範囲の工事となり、住宅ローンでまかなえる費用です。
しかし、建築会社によって付随工事の扱いが違う為、A社では付随工事扱いの工事がB社では諸経費扱いになってしまったなども起こってしまう工事なのですね。
ですから、契約前に見積書の内容をしっかり確認することはお金での後悔を減らすポイントといえます。
付随工事費用で注意しなければいけない費用が「解体工事・造成工事費用」と「地盤改良工事費用」。
この2つを少し詳しく解説しますね。
解体工事
解体工事費用の目安は以下の表を参考にしてください。
解体する家の構造 | 解体費用の目安 |
木造 | 3万円~5万円/坪 |
鉄骨造 | 4万円~7万円/坪 |
RC(鉄筋コンクリート造) | 6万円~8万円/坪 |
解体工事費用は土地に重機が入れなかったり、となりの家が近すぎたりすると高くなる傾向があります。
造成工事費用は土地の形状により大きな開きがあり10万前後から100万円以上必要な場合も。
ある程度の目安の費用を知らないと資金計画に狂いが出てしまう費用なので、早めに概算見積もりを取った上で資金計画を組むと狂いは少ないでしょう。
地盤改良工事
地盤改良工事費用は地盤調査後にしか正確な費用がわかりません。
しかし、地盤が悪ければ150万円以上必要な場合があります。
ですので、予算計画の段階では多めに準備しておき、地盤改良工事費用が安かったら建物本体工事にお金を回すくらいの余裕を持った計画を組んだ方が無難でしょう。
ちなみに地盤改良は建て替えの場合も昔と基準が違うので必要になる場合があるので、予算計上を忘れないようにしてくださいね。
諸経費
不動産取得に関わる税金 | ・不動産取得税 ・固定資産税 ・都市計画税 家を持つことによって支払わなければいけない税金です。 現在は軽減措置や優遇措置が充実しているので無駄なく利用していきましょう。 |
印紙税 | 法律で決められた契約を行うときに印紙として支払う税金です。 ・建築会社と交わす「工事請負契約書」 ・金融機関で住宅ローンを組む際の「金銭消費賃借契約書」 |
登記費用 | 住宅ローンを借りる際の抵当権や法務局で行う各種登記費用。 また上記手続きを司法書士、弁護士へ依頼する費用が必要です。依頼料については事務所ごとに違ってきます。 |
事務手数料 | 各種登録や金融機関へ支払う事務手数料も現金で準備しなければいけない費用です。 |
火災保険料 | 住宅ローンを組む条件として火災保険に加入が通常必要です。 |
団体信用生命保険 | 住宅ローンの契約者が死亡または高度障害で住宅ローンの支払いができなくなったときに住宅ローンの支払い義務がなくなる保険。 住宅ローンの金利として含まれる場合もあります。 |
付随工事に含まれない工事 | 建築会社とは別に発注する場合の外構工事やエクステリア工事、または見積書に含まれない工事は諸経費として現金で準備する費用となります。 |
地鎮祭・上棟式費用 | 地鎮祭の時に神主さんへの謝礼 上棟式の大工さんに渡す御祝儀など |
工事中の差し入れ | 建築会社によってはいらないところもありますが、頑張っている職人さんへの気持ちとして、現場に行くときは準備してほしいですね |
近隣への挨拶回り | 工事中は何かと騒音が付きまといます。お茶菓子を包んで工事着工前の挨拶回りは、住んだ後の近所付き合いの上でも大切な事でしょう。 |
諸経費はこの表のような各種手数料や、付随工事扱いでない工事費用となります。
諸経費の目安は土地代+建物本体工事費用+付随工事費用の約6%~9%。
諸経費は現金で準備すべき費用なのですが、金融機関によっては「諸経費ローン」と言われる諸経費をまかなえるローンが存在します。
しかし住宅ローンとは別に支払っていくローンなので注文住宅を建てた後の負担は当然大きくなってしまうでしょう。
注文住宅を建てた後は住宅ローンの返済だけでなく家を持つことによって発生する出費もあることを考えると「諸経費ローン」はおすすめしない選択肢ですね。
諸経費は計上漏れや不足が多い費用ですので、余計な出費を減らすためにも多めに予算計画は組むようにしましょう。
貯蓄
貯蓄は注文住宅を建てる事に直接関わる費用ではありません。
しかし、注文住宅を建てる為に準備する費用の中では最も重要な費用と言って良いでしょう。
貯蓄とは「家族に何かあった時の為の余剰資金」なのです。
「家族が急に入院した」
「会社が倒産して仕事がなくなった」
このような時、今まで貯めていた貯蓄を注文住宅を建てる為に全て使ってしまっていたら大変なことになりますよね。
この家族に何かあった時の為の貯蓄は生活費の最低6か月分。
家という資産を持つのなら、家族が安心して暮らせる状況も考え予算計画を組むべきでしょう。
頭金の考え方
注文住宅を建てる為の頭金の全国平均は【土地あり】で約622万円、【土地なし】の場合は約433万円になっています。(住宅金融支援機構2019年フラット35利用者調査 より)
頭金を準備したほうが住宅ローンを借りやすく、資金的余裕ができるなどメリットが多いことは確かです。
しかし、頭金を準備するために「貯蓄」や「家族に何かあった時の為の貯蓄」を切り崩すことだけはやめましょう。
頭金はこの表のように自己資金から「家族に何かあった時の為の貯蓄」と「諸経費」を引いた残り、つまり余剰資金で準備すると考えた方が気持ち的にも楽になり後悔も少ないと思いますよ。
ですから、状況によっては「頭金なし」の選択肢も考えられるわけです。
例えば、今のアパート家賃より注文住宅を建てた後の支払いが低く、資金計画にも無理がないなどの場合は頭金なしの選択肢は可能でしょう。
ですが、資金的余裕がないから頭金なしの選択肢は後悔の原因になってしまいますよ。
注文住宅を建てるお金は個人で扱うお金としては非常に大きな金額になります。
今資金的余裕がないのなら家を建てた後も資金的余裕はできないと考え、家族の為に後悔のない資金計画を作ってほしいですね。
自分たちが準備できる予算を知る
「住宅ローンの返済にボーナスを含めたが、ボーナスが少なく返済が苦しい」
「子供が大学にいきたいと言い出した、住宅ローンをもっと少なく借りればよかった」
「住宅ローンの返済で老後の資金が貯められない、退職後が心配だ」
ほとんどの方は注文住宅を建てる資金として住宅ローンを借りるでしょう。
しかし、借りる基準を間違ってしまうとこのような後悔に繋がってしまうのですね。
住宅ローンは「借りられる金額ではなく返せる金額」を基準に借りることが大前提!
実は住宅ローンは自分たちが考えているより借りられてしまいます。
ですから、多少予算オーバーしてしまっても住宅ローンの審査が通り、家が建てられてしまうのですが返済がきつくなるのは目に見えていますよね。
積み上げ式で費用をいくらでも増やせる注文住宅のデメリットと言っていいでしょう。
この返せる金額は残念ながら建築会社や金融機関は教えてくれません。
建築会社は工事費用が多ければいいですし、金融機関はできるだけ借りてもらいたいわけですから……。
もちろんそうでない建築会社は存在しますが、基本的に返せる金額は自分で算出しなければいけないのです。
この住宅ローンの返せる金額は毎月の生活費はもちろんですが、次のような事も考える必要があるでしょう。
- 住宅ローンの返済期間中で一番お金のかかる時期
- 余剰資金
- メンテナンス費用
住宅ローンは最低でも生活費とこの3点を確保できる金額で借りるべきなんですね。
以下で住宅ローンを借りる際に考えるべき3点について詳しく解説していきます。
住宅ローンの返済期間中で一番お金のかかる時期
住宅ローンは20年や35年と長い期間返済を続ける必要があります。
この長い期間の間に家族のライフスタイルも変化するでしょう。
住宅ローンはこのライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるよう一番お金のかかる時期を基準に借入額を決めなければいけません。
例えば、子供がまだ学生でしたら、大学を卒業して就職するまでが一番お金のかかる時期ですね。
40才台、50才台で注文住宅を建てるなら、将来の医療費の増大や退職後を基準に借入額を決めるべきでしょう。
車や家電の買い替え時期も検討項目です。
また、現在は終身雇用の形態も崩れ、社歴で収入がアップする保証はありません。
同時にボーナスが安定しているわけでもないですから、現在の毎月の手取り金額をベースに借入金額を算出したほうが安全でしょう。
ちなみに、住宅ローン返済期間中で一番お金のかかる時期は「このくらい」では無く、しっかり時系列を紙に書きだし、家族で話し合った上で算出してください!
手を抜くと思わぬ後悔に繋がりますよ。
余剰資金
余剰資金とは「家族に何かあった時の為の貯蓄」です。
注文住宅を建てる際に準備した貯蓄を維持し続けるわけです。
家族の幸せはお金だけでは得られませんが、現実問題としてお金が無くては家族の幸せは維持できませんよね。
厳しい言い方ですが、この貯蓄を維持できないような資金計画しか組めないのでしたら、今は家を建てる時期ではないと考えた方が後々に後悔しないで済むと思いますよ。
メンテナンス費用
注文住宅は定期的なメンテナンス工事を行い、家の性能を維持しなければいけません。
逆に言えば、今の住宅はメンテナンス工事さえしっかり行えば、最低限の費用で何十年と快適に住み続ける事ができる作りになっているのですね。
メンテナンス工事には以下のような物があります。
- シロアリ予防工事(5年~10年)
- 外壁・屋根の補修、塗装(10年~20年)
- バルコニー防水工事(10年~15年)
この3つは家の性能を維持する為のメンテナンス工事となり、この他にクロス貼り替えや設備機器の修理交換費用なども必要になってくるでしょう。
ライフスタイルの変化に合わせてリフォーム前提で注文住宅を建てた場合はリフォーム費用も必要ですね。
注文住宅のメンテナンス費用は家の大きさや使っている建材によって変わってくるのですが、おおよそ10年間で100万円から300万円必要になってくるでしょう。
ちなみに、ハウスメーカーなどが広告している「50年保証」などはメンテナンス費用がいらないわけでは無いと知っていましたか。
実は保証の内容が「定期的な有料メンテナンス工事を弊社でした場合に無償の保証も継続します」という内容なのです。
ですから、メンテナンス費用を準備することを忘れないでくださいね。
せっかく自分たちの希望を盛り込んだ注文住宅です。
いつまでも快適に住めるようメンテナンス費用の貯蓄を考えた返済計画を組んでほしいですね。
注文住宅を建てるお金の基礎知識と相談
注文住宅を建てる費用は非常に複雑ですが、後悔しない注文住宅を建てるためにはクリアしなければいけない工程です。
その為にはあなた自身が注文住宅を建てる費用について詳しくなる必要があるでしょう。
注文住宅を建てるお金の基礎知識
注文住宅を建てるお金の基礎知識を身に着ける方法も最初は本が最適ですので、ここに2冊の本を紹介しておきます。
- 【「家づくりにかかるお金」すべてがわかる本】
家を建てる流れに沿って、いくらお金が必要なのかを網羅している本です。
この本は家を建てる出費についてだけでなく、コストダウンのアイデアが豊富に載っていることがおすすめの理由。
家を建てる流れを知りながら、家を建てるお金とコストダウンの方法も知ることのできるお得な内容になっています。
注文住宅の資金計画だけでなく、間取りづくりの際にも活躍する一冊でしょう。
- 【住宅ローンの借り方 返し方 得なのはどっち】
「借りられる金額と返せる金額は違う」事を前提に、ファイナンシャルプランナーとして20年以上のキャリアがある筆者が丁寧に解説している一冊。
比較的短い期間で改訂版を出している事も特徴で、最新版は2021年の住宅ローン事情を解説しています。
住宅ローンの制度を知ることができるだけでなく、住宅ローンを借りる際のノウハウも学ぶ事ができ、住宅ローンの基礎知識を身に着けるのは十分な内容でしょう。
注文住宅を建てるお金について相談する
注文住宅を建てるお金については、自分自身で考え答えを出すことは必要でしょう。
しかし、素人では限界があることも事実です。
ですので、なるべく早い段階からプロに相談し、自分たちの考えがあっているか確かめる事をおすすめします。
相談先としてファイナンシャルプランナーに個人的に依頼する方法が良いでしょう。
ファイナンシャルプランナーとは生活に関わるお金、例えば住宅ローンはもちろんの事、年金や子育て資金、毎月の家計のやりくりまで相談を受け、専門的な立場からアドバイスをする職業の方々なのです。
家のお金の事は家のお金のプロに相談したほうが確実でしょう。
注文住宅を建てるお金の相談には若干の費用が発生します。
中には「無料相談受けます」と広告しているところがありますがなるべく避けるべきです。
無料相談は建築会社や不動産の勧誘が含まれている場合が多々あるのですね。
基本的に相談関係、調査関係は有料で、それ以外の利益関係が絡まないところを選ぶと無駄な労力を使わないで済みますよ。
「家は一生に一度の買い物」と言われるくらい個人にとって大きなお金が動くわけですから資金計画は慎重なくらいが良いでしょう。
この記事も参考にして後悔のない資金計画を作ってほしいですね。
後悔しない注文住宅のポイント7:妥協しない建築会社選び
残念ながら自分たちには家を建てる技術はありません。
またいくら知識を得たとしても経験不足を埋めるためにプロの意見が必要になってくるでしょう。
このような部分は、建築会社の能力に依存しなければいけない部分です。
ですから、建築会社の能力は自分たちの求める注文住宅の成否に関わると考え、妥協しないで建築会社を探すべきなんですね。
建築会社で後悔した事例は以下のような声がありました。
「今考えれば担当者が売ることばかり考えていたと思う、関係が悪くなるのがいやで意見に流されてしまった」
「私たちの意見を聞くだけで何も提案がなく、上手く自分たちの求める部分が反映できなかった」
「ハウスメーカーが安心だろうと依頼したが、間取りの選択肢が少なすぎた」
「知り合いの紹介の工務店で建てたが仕上がりに不満がある、しかし紹介を受けた手前強く言えない」
このような後悔をなくすための建築会社の探し方のポイントは以下の4つ。
- 必要な情報を収集し、建築会社を絞り込む
- 実際の建物を見て建築会社の「現場力」を判断
- 自分と建築会社や担当者との「相性」を判断
- 相見積もりで建築会社の「提案力」を比較
この4点を詳しく解説していきますので、「この建築会社を選んで後悔した」をなくす参考にしてください。
必要な情報を収集し、建築会社を絞り込む
建築会社はただやみくもに探しても、求める注文住宅を建ててくれる建築会社と出会うことは難しいでしょう。
ですから、最初は行動を起こす前にインターネットや住宅情報誌を活用して建築会社の絞り込みをします。
建築会社の絞り込みでは次の3点を中心に建築会社を判断するといいでしょう。
工法やデザイン、価格帯は自分たちが求めている要件を満たしているか
工法やデザインが求めている注文住宅にぴったりでも価格帯がかけ離れていれば予算内で建てることは難しくなります。
逆に安くても工法、デザインが要求を満たせなければ、求める注文住宅は手に入らないわけです。
情報収集の段階ではこのバランスは掴みにくいところではありますが、ホームページの施工例などを参考にある程度の目安はつけておくべきでしょう。
建築会社の活気度を判断
活気のある建築会社は良い提案、良い工事をしてくれるものです。
建築会社の活気度はブログの更新頻度や勉強会・展示会を積極的に開催している等の情報から判断できるでしょう。
また施工例なども比較的新しく、詳しくホームページに載せているなどもチェック項目です。
建築会社の考えが自分とあっているか
建築会社のホームページには会社の理念や社長の考え、会社の方向性などが載っているはずです。
それらを読んでみて、自分たちが求めている注文住宅と方向性が同じなのかを感じてみてください。
建築会社との「相性」に関係しますが、工法や値段以前に自分たちと考え方が同じ方向を向いていることは意外と重要な部分ですよ。
実際の建物を見て建築会社の「現場力」を判断
注文住宅は現場が本番です。
ですから、営業マンの巧みな言葉より、実際に建てた家を見たほうが建築会社を判断する早道でしょう。
現場を見て建築会社を判断する方法は以下の3つが考えられます。
モデルルーム・モデルハウスの見学
建物や設備はグレードが高い場合が多く参考にならない場合がありますが、間取りを中心にデザインの傾向を知る事ができます。
また、注文住宅について知識を得たあなたならば営業マンに振り回されることなく建築会社や建物の情報を聞くことができるでしょう。
ハウスメーカーや大手ビルダーで注文住宅を検討しているのであれば、モデルルーム・モデルハウスの見学はある程度の「現場力」を判断できると思いますよ。
現場見学会に参加
タイミング的に難しい場合が多いですが、自分たちが建てる家と近い状態の注文住宅を見ることができる現場見学会は参加したいものです。
特におすすめは構造見学会。
構造見学会とは内装が始まる前の状態、つまり柱や建物の構造がむき出しの状態で現場を見せている見学会。
家にとって重要な部分の建築精度を直接見られる少ないチャンスといえます。
また、隠れている部分を見せられる建築会社の自信の現れとも考えられるでしょう。
現場見学会に参加する場合は、気になる建築会社のホームページをこまめにチェックして時間に余裕をもってじっくり見学してほしいですね。
建築途中の現場を訪問
建築途中の現場を見せてもらうことで、生の現場の雰囲気や職人の技術、現場の整頓状況などの建築会社のモラルを総合的に判断できるメリットがあります。
自分たちが建ててもらう場合を一番イメージしやすい方法でしょう。
しかし、遠くから見る分には問題ないのですが、敷地内に入りたい時は事前に建築会社に許可を取り、職人さんの邪魔にならないように配慮しましょう。
それぞれの方法で現場を見て事前に調べた情報と一致、もしくはそれ以上の「現場力」ならば建ててもらう建築会社の有力な候補と考えて良いでしょう。
自分と建築会社や担当者との「相性」を判断
自分と建築会社や担当者との「相性」は感覚的な部分になるので判断が難しいですが、次のようなときに判断できるのではないでしょうか。
建築会社は雰囲気を感じてみる
モデルルームや展示会、事務所を訪問した時、社員の話し声や行動、事務所全体の整理整頓状況を観察してみましょう。
活気のある建築会社は見えないところも整理され、社員の声にも張りがあるはずです。
何件か訪問しているとその違いと自分に雰囲気があっているかわかると思いますよ。
担当者は能力と誠実さを見る
自分たちと直接関わる担当者の能力や誠実さは建築会社との相性以上に重要です。
- 担当者がプロ目線でメリットだけでなくデメリットも話しているか
- 代替え案などを積極的に提案してくれているか
- 売ることが目的ではなく、自分たちに良い家を建ててもらうことを考えているか
このような事を中心に担当者を観察すれば担当者との相性で後悔してしまうことは避けられるでしょう。
相見積もりで建築会社の「提案力」を比較
後悔しない注文住宅を建てる為には建築会社の「提案力」は必須です。
この建築会社の「提案力」は建築会社を最終的に決定する際に各社に依頼する概算見積もりの内容でわかるでしょう。
概算見積もりでは以下の点を判断します。
- 自分たちが注文住宅に求める部分が建築会社の特色を生かしつつ見積もりやラフプランに反映されているか
- 概算見積もりの内容が「一式」ではなく、内訳まで可能な限り詳しく記載されているか
- 担当者がこちらからの質問に詳しく答えており、代替え案なども積極的に提案しているか
概算見積もりでは安さは判断基準になりません。
見るべきポイントは建築会社の「提案力」と本気度です。
建築会社の「提案力」と本気度を判断する為には、以下のルールを守って依頼しましょう。
- 各社に自分たちが建てたい注文住宅のイメージをできるだけ細かく、鮮明に同じ内容で伝える準備をする
- 「この相見積もりで最終的な建築会社を決定するつもり!」と本気で伝える
この2つのルールは、各社に無駄になるかもしれない概算見積もりを本気で作ってもらう為に大事なことですよ。
ちなみに概算見積もりを依頼する建築会社は多くても3社程度に絞り込みましょう。
あまり多すぎると判断に時間がかかりすぎてしまいますからね。
施主のことを考えている建築会社は、たとえ概算見積もりでも無駄な費用を抑えつつ、あなたが求めている事を最大限に生かした提案をしてくるはず。
そのような建築会社ならば、限りなく理想の注文住宅に近づけるでしょう。
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後悔しない注文住宅のポイント8:家族の安全と安心を考えた土地探し
「駅までが遠すぎた」
「土地を先に購入したら理想の家が建てられなかった」
「お隣との生活時間帯が違いすぎて気を使ってしまう」
「日当たりを考えなかった」
怖い話で「ハザードマップを気にせず土地を買ってしまって災害に合ってしまった」などもあります。
土地は家族の安心と安全を得られる土地なのかを考えて探すことにより後悔の少ない土地を探すことができるでしょう。
いくら土地が安くても家族が不安を感じていては快適な生活とはほど遠くなってしまいますからね。
その為に一番大事なことは、購入予定の土地は必ず自分の目で直接見て判断する事です。
土地を購入するという事は一生住む場所を決めるという事。
他人に任せたり写真で判断したりしていては後悔ばかりが増えてしまうでしょう。
ここでは、家族の安心と安全を考慮した土地探しと自分の目で直接見て判断することを前提として、どのように土地を探せばいいのかのポイントをまとめていきます。
土地は建築会社と一緒に探す方法がベスト
土地は建築会社と一緒に探すことにより以下のメリットがあるのですね。
- 土地に合わせたプランニングがしやすく、プランニングの時間が十分に取れる
- あなたが求める注文住宅を知っているプロの目線で土地を選定してもらえる
- 建築会社が持つネットワークが使えるので希望の土地を見つけやすい
注文住宅のイメージを実際の形にする為には十分な時間が必要になってきます。
また、建築会社と一緒に土地を探せば、せっかく土地を見つけても土地の形状や建築条件の制約で求める注文住宅を建てられなかったという後悔も防げるでしょう。
同時に「土地は出会い」といいます、良い土地に出会うためには多方面から探したほうが出会いは必然的に多くなるわけです。
このように土地と建物をセットで考えられる建築会社と一緒に土地を探す意義は大きいでしょう。
住みたい地域はアバウトに
土地は建築会社と一緒に探す事の他に、なるべく大きな範囲で土地を探したほうが希望の土地を探しやすくなります。
「〇町に住みたい」→「□市の東側」
「△地区から会社に通いたい」→「会社から車で30分圏内」
このように広く地域設定をするとともに、土地の条件にも融通性を持たせます。
そうすれば、例えば売り出し中の区画整理された建築条件なしの土地があるかもしれませんし、中古付きだけど安く好条件の土地があるかもしれませんよね。
地域や条件を限定してしまうとこのようなチャンスを逃してしまう事になるでしょう。
土地はいつ売りに出されるかわかりません。
ですから家族の安全と安心を確保するしつつ地域の条件をアバウトに設定することが良い土地にめぐり合うコツといえるでしょう。
土地の見るべきポイント
注文住宅を建てる候補となる土地を見つけた時の確認すべきポイントをまとめました。
家族の安全と安心が確保できる事を前提に以下で紹介するポイントを自分の目で直接確認し判断すれば、土地購入での後悔は少なくなるはずですよ。
建築条件
建築会社と一緒に探す場合はあまり気にしなくていいのですが、土地には必ず建てられる家の大きさや家の仕様についての条件が付いています。
建ぺい率40%や準防火基準などですね。
また造成地などは建てる建築会社の指定が付いている場合があり、土地は買ったが建築会社が決まっていて選べなかったなどの後悔もあります。
このような後悔を防ぐ為にも関係書類を確認できる知識を持つとともに自分の目で書類を確認するようにしましょう。
地盤
地盤の状態は資金計画に関わってきます。
地盤については建築会社と一緒に探しているのであれば、建築会社が使っている地盤調査会社に周辺の土地データをもらえば、ある程度の地盤の状態がわかるので利用しても良いでしょう。
また、地盤はある程度以上の強度があれば地盤改良で十分な強度が確保できるので予算的に問題がなければ他の条件を優先しても大丈夫と思いますよ。
ハザードマップ
近年は自然災害による被害が深刻化していますね。
ハザードマップで被害範囲を確認することは必要ですが、自分の足で土地周辺を確認することも大切でしょう。
絶対に大丈夫という事はないですが、特に今まで住んだことのない地域でしたら周辺を知っているだけで安心感に繋がるものです。
日照条件
一日を通しての日当たりのチェック。
同時に将来的にマンション建設などで日当たりが変わるかなどの情報があればベストですね。
日当たりや風の通り抜け具合はプランニングに大きく影響する部分。
逆にプランニング次第で日当たりが悪くても明るい家を建てることができるので、建築会社に相談する為にもしっかり調べておいた方が良いでしょう。
前面道路へのアクセス
建築条件とは別に前面道路に出るために邪魔な縁石や電柱があれば撤去費用や移動の申請が必要となるので確認しておきましょう。
また前面道路へのアクセス距離が長いと私有地内への上下水道引き込み費用が多く必要になるので、その点もチェック項目です。
各施設へのアクセス
学校やスーパー、駅などへのアクセス経路、距離などは家族にとって適切なのかは確認しておきましょう。
何点かは妥協が必要ですが、生活パターンに関わってきますから家族全員で話し合う必要があるでしょう。
また将来的に商業施設や学校ができるなどの情報があれば土地選びの融通性が高くなるでしょう。
交通状況・騒音
前面道路や周辺の交通量は家族にとって安全か。
土地周辺の騒音は防音対策が必要なのか。
これらは工法や間取り、家族の安全に関わる部分です。
昼間の交通量や騒音はもちろんですが、夜の方が騒音が気になったり、交通量が多かったりする場合があるので、できるだけ色々な時間に確認したほうが確実にわかると思いますよ。
近隣の危険度
昼間は閑静な住宅街でも夜になると雰囲気が変わる地域は意外とあるものです。
感覚的な部分になりますが、できれば女性視点で住みたい地域の危険度を昼と夜確認してみましょう。
お隣の状況
特に住宅密集地では、お隣のボイラーの位置やリビングの配置、玄関や勝手口の位置を確認しておきましょう。
また、可能なら隣接する家庭の生活パターン、例えば夜勤が多いなどがわかるとより良いですね。
このような情報があれば、お隣の生活と干渉しない家を間取り次第で作ることができるわけです。
お隣のプライベートに干渉してしまってストレスを感じたり、トラブルに発展してしまったりの後悔は長く住む上では避けたいですからね。
後悔しない為の注文住宅のポイント9:プランニングはトコトンやろう
「打ち合わせが少なく意見の食い違いがトラブルに発展してしまった」
「引き渡し時期が気になって打ち合わせが中途半端になってしまった」
プランニングでの後悔の一つは期間を決めてしまった事。
最初に話したように注文住宅を建てる期間は短期的に決めてしまうと後悔に繋がってしまいます。
プランニングの終了はお互いに納得した時と割り切った方が気持ち的にも楽になり集中できるでしょう。
そしてプランニングで一番大事なことは自分たちが決めたことに後悔しない事です。
その為にはプロの意見が必ずしも正しいとは考えず、納得いかないこと、腑に落ちないことはトコトン聞くべきでしょう。
それで関係が悪くなることはないですよ。
逆に家を建てた後、打ち合わせと違うなどのトラブルを避けることができるでしょう。
プランニングは妥協せず、自分たちに不足している知識があれば「次回打ち合わせまでは覚えてやる!」くらいの気持ちで臨めば、丁度良いかもしれませんよ。
納得のいくプランニングが進めば次は工事請負契約と住宅ローンの本申し込みと進みます。
この際に心掛けてほしいこと、確認してほしいことがありますので解説しておきますね。
工事請負契約は慎重に
建築会社と交わす工事請負契約は単なる法律上必要な契約と考えてはいけません。
これから家族が快適に安心して暮らせる注文住宅を手に入れる為の契約と考え臨んでください。
- 今まで打ち合わせしてきたことがしっかり反映されているか
- 打ち合わせに漏れはないか
- 建築会社と自分たちとの認識の違いはないか
このような点を中心に契約書の内容を隅々まで確認する必要があるのですね。
しかし、工事請負契約書は図面だけでなく特記事項など様々な書類があり、契約の場で全ての書類を確認するには時間が足りないでしょう。
ですので事前に工事請負契約書の写しをもらって自宅でゆっくり確認する事をおすすめします。
また、工事請負契約後は建物の構造など重要部分は変更できなくなりますから、クロスの色や照明など金額的に少ない部分のみ残して、他の主要部分が決まってから契約すべきです。
無駄な後悔やトラブルを防ぐ意味でも不明な点は質問して、多少時間がかかっても納得した上で契約を結ぶことが大切ですよ。
住宅ローンを申し込む前にもう一度確認しよう
住宅ローンは本審査の前に仮審査を申し込見ます。
この仮審査を申し込む前にもう一度住宅ローンを再検討しましょう。
- 工事費用は自分たちが返せる金額に収まっているか
- 住宅ローンの金利、返済期間は適切か
注文住宅のプランニングをしていると金銭感覚がずれて大きい買い物をしている感覚が薄れてしまっている場合があります。
また、自分が思っているより気分が高ぶっている場合があり、思わず高いグレードの設備を選んでいる可能性があるのですね。
そのような時に住宅ローンの借入額の再検討をすれば、冷静になり無理のない状態なのかチェックできるわけです。
住宅の後悔は取り返せません。
時には第三者の視点で見ることも後悔しない注文住宅を建てる為には必要でしょう。
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ここまで長い期間をかけて準備してきた事はすべて工事着工後に反映されます。
しかし、ここで気を抜いてしまうと後悔の残る家になる可能性が非常に高くなってしまうのですね。
ですので、工事着工後にあなたが施主としてすべきことを解説していきましょう。
総監督は自分と考え現場に通う
自分たちの家なのだから自分が最終的にチェックし判断しなければいけない!
このような気持ちでできる限り現場に足を運ぶ事が注文住宅を成功させる秘訣でしょう。
- 現場が始まってから気が付く部分
- 収まりについて不明な部分
このような部分を1個1個確認していく事によって、さらに精度が良くなるわけです。
ですから、わからないこと、不明な点はその場ですぐ質問しましょう。
邪魔にならないように職人さんに質問しても構いません。
大切なことは自分が納得した上で工事を進めてもらう事!
また、工事現場にこのような気持ちで通うことによって現場に良い緊張感が生まれ、職人さんとのコミュニケーションも取れ、より良い家が出来上がるはずですよ。
施主立会検査は最後の締め!
施主立会検査とは施主であるあなたが完成した自分たちの家を検査する機会です。
法律上必要な検査ではないのですが、施主立合検査は完成検査の中で一番重要と考えて臨みましょう。
施主立合検査では主に次のことを見ていきます。
- 壁や床のキズ
- 床の軋み、手すりなどの強度
- 照明やコンセントの位置
- キッチンなどの設備関係が予定通りか
- ドア、窓の軋み
- 収納の棚の位置
- 外部のコーキングなどの雨じまい
- 外部の設備
これまで現場に通っていたのならチェックしていると思いますが、施主立合検査でお互いに納得する事で今後付き合っていく上でのトラブル防止になるわけです。
施主立会検査を儀式的にとらえている建築会社もいますが、本来は上記のような意味がありますから、しっかり契約書にも記載してもらいましょう。
また、上記点検以外にも設備などの説明が建築会社からあるので結構時間がかかります。
ですので、施主立会検査は理想の家を手に入れる為の最後の締めと考え、十分な時間を取り本気で臨みましょう。
まとめ
後悔しない注文住宅を建てるためのポイントは大きくまとめると次の4つになります。
- 注文住宅を建てる流れを知り事前に準備をする
- 必要な知識を習得し率先して行動する
- 過去の失敗事例を参考に疑似体験を繰り返す
- 自分たちをプロの視点でフォローしてくれる建築会社に出会う
そして、時間をかけて妥協しないで取り組んでほしい工程は以下の4工程。
- 家のイメージづくり
- 資金計画
- 建築会社探し
- 土地探し
そして最も大切なことはすべて自己責任という考え方です。
注文住宅は自由に自分たちが思い描いた家を建てられる事が最大の魅力です。
しかし自由には必ず責任がついて回ることを忘れてはいけません。
ですから、後悔も自分が招いた結果と考え、後悔しない注文住宅を建てるために努力することが必要なわけです。
理想の注文住宅を建てるのは大変です。
ですが大変な思いをした分、自分たちに最適な家を手に入れられる可能性があるでしょう。
この記事を参考にして自分たちに必要なことに気付いてもらい、後悔のない注文住宅を建ててもらえれば幸いです。
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